Target
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診療対象動物
当院の診療対象動物は、犬・猫です。
それ以外の動物は診療を行っておりませんので、ご了承ください。
Preventive
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予防医療
健康診断
現在、ペットたちの寿命はひと昔に比べると、格段に長くなっています。
その理由は獣医療の発展はもちろんのこと、飼い主様と動物の関係が「大切な家族」というものに変化し、健康診断などを意識的に行うことで病気の早期発見・早期治療につながっていることが挙げられます。これは直接的に異常値がでて病気が見つかること以外にも、健康な状態を検査結果として把握しておくことも重要な役割となります。
ワンちゃん・ネコちゃんは生後1歳で人の18歳にあたる年齢まで急速に成長し、そこから1年毎に、人の年齢の5年に相当する時間を過ごしていきます。私たち人間も年に1回は健康診断を受けるので、年に1〜2回の健康診断をお勧めします。
ノミ・ダニ予防
ノミやマダニは屋外では多種多様な場所に生息しています。家の中で繁殖することもあるため、予防が大変重要になります。ノミ・ダニの感染は、アレルギーを引き起こし全身の痒みに繋がる場合や感染症の原因にもなります。感染症には、この地域で多いバベシア(血液に寄生し重度の貧血を起こす)やSFTS(重症熱性血小板減少症候群)があり、どちらもかかると命に関わります。SFTSの場合、死亡率が高くネコで60-70%, イヌで29%と報告されています。
また、これはペットだけの話ではありません。特にマダニは人にも感染する病気を運び、刺されれば人も病気にかかる可能性があります。現在福山市では、マダニが媒介する病気として日本紅斑熱、ツツガムシ病、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)がホームページで注意勧告されており市内での感染も報告されています。
マダニは主に屋外に生息しているため、ペットの散歩中などにマダニがついた際に感染を成立させないことが予防法になります。そのため、毎月予防薬を投与することを強くお勧めしています。
フィラリア予防
フィラリアは蚊が媒介します。蚊は産卵期を前にすると吸血行動を行うようになり、その蚊がフィラリア(犬糸状虫)に感染している場合に吸血に伴って幼虫を体内に移行させます。移行した幼虫は動物の筋肉内で成長し、成虫になると肺動脈へ寄生します。
わんちゃんの場合は肺動脈でフィラリアが大量に増え、心臓まで感染寄生するようになると咳や腹水貯留、血色素尿など特徴的な症状が出ることがあります。
わんちゃんの診断は血液検査で比較的容易に行うことができます。
ネコちゃんの場合、肺動脈で死滅することが多いため、わんちゃんよりも感染は少ないですが感染すると食欲不振や慢性の発咳、最悪の場合突然死を起こします。また検査は難しく検出されないこともあります。
どちらともフィラリアを駆虫できても、その後遺症と一生付き合っていくことになりますので、かからないように予防することが非常に大切です。
予防はワンちゃんの場合は飲み薬、猫ちゃんの場合は皮膚に点着するスポットタイプと剤型も多岐にわたるため、お薬が苦手でも大丈夫なことが多いです。
混合ワクチン
- 犬の感染症を予防するワクチン
ジステンパー、パルボウイルス感染症、犬伝染性肝炎、犬パラインフルエンザウイルス感染症、犬アデノウイルス感染症、レプトスピラ感染症(カニコーラ型、イクテロヘモラジー型)の感染症を予防します。
このうち、レプトスピラ感染症は人獣共通感染症であり、人にも感染する感染症です。感染すると黄疸を起こし急性腎不全で亡くなる怖い病気です。広島県でも感染は報告されていますので、予防をおすすめします。
当院では5種と7種を取り扱っており、この違いはレプトスピラ感染症が入っているか入ってないかの違いになります。幼少期に、2~3回接種し、その後1年に1回ワクチンを打つことでこれらの感染症を予防して行きます。 - 猫の感染症を予防するワクチン
猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス感染症)の感染を予防します。
外に出ない猫ちゃんにも感染・発症することがありますので、室内飼いでもワクチン接種が推奨されており、幼少期に、2回接種し、その後1年に1回ワクチンを打つことでこれらの感染症を予防していきます。
Neutering
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避妊去勢手術
避妊手術・去勢手術は健康な子にメスを入れる行為です。この手術に抵抗感を持つ方も少なくないのではないでしょうか。
ですが、避妊去勢手術は「子供を作らない」以外にも多くのメリットがあります。
- 特定の病気を予防できる
女の子であれば、「子宮蓄膿症」「乳腺腫瘍」が予防でき、男の子では「前立腺肥大」「肛門周囲腺腫」「会陰ヘルニア」の予防が可能です。特に乳腺腫瘍は、初回発情前(6ヶ月齢くらい)もしくは初回発情と2回目の発情前(1才齢くらい)の避妊手術により、犬猫ともに大きな予防効果が報告されています。よってメスに関しましては6〜9ヶ月齢くらいの手術をお勧めしています。 - 寿命が伸びる
ある研究結果から、不妊手術を実施した場合としていない場合で明らかに寿命が延長するという回顧的研究の結果が認められました。
避妊手術・去勢手術にはデメリットもあります。
- 全身麻酔のリスク
- 太りやすくなる
術後は性ホルモンがなくなり安定するため、犬、猫、犬種、性別、年齢問わずほとんどの患者さんが太りやすくなります。 - 尿もれ
避妊手術後に尿道の括約筋不全が生じ尿もれを起こすようになる場合(4~20%)があります。これは性ホルモンが関わっており、手術後2〜3年で生じます。基本的には性ホルモンの投薬で治療します。
メリット、デメリット様々ありますが、子供を作るつもりがない場合は、メリットにより手術をお勧めしております。検討されている場合には、お気軽にご相談ください。
当院では、日常的に行われている避妊手術や去勢手術にも電気メス・血管シーリングを使用します。この機器を使用すると出血が少なく視野が確保できるため手術時間が大幅に短縮され、動物達の麻酔に対する負担が軽減できます。また、電気的に血管を止めるため動物の体内に糸を残さない手術ができます(血管、組織の太さによります)。これにより、頻繁に起こる病気ではないですが縫合糸反応性肉芽種を起こさない手術を行うことができます。